2017年11月
閑静な住宅街に佇むモダンなマンション
今回のリノベーションは、“開放感”をテーマにつくり上げてみました。
このマンションは、総戸数があまり多くなく、小規模のマンションです。
部屋に入った印象として、天井がものすごく低く感じたのは、建物を支えるための鉄筋コンクリートの梁の影響でした。
そこで、以前のお部屋の中を全て解体し、スケルトン状態にしてみたところ、基礎及び梁の状態がとても良く、綺麗であったため、天井の基礎をそのまま利用し、ダウンライト照明等に変更し、天井高を上げることによって、開放感を得られる造りにしてみました。
また、玄関には、壁の一部にエコカラットを造作し、玄関付近の空気の浄化を出来るようにしました。
居室部分は、壁一面を全て収納にし収納力の強化を図ることで、モノがお部屋に溢れること無く、お部屋を広々と使えるよう配慮しました。
窓は、採光が取れており明るくてとても良いのですが、住宅地の中にあるため、目隠しも兼ねた木製のロールカーテンを標準装備することでプライバシーの配慮も欠かさないようしています。
キッチンに関しては、もともとは壁側に設置されていたキッチンを対面型に変更し、ダクトに関してはお洒落な飲食店のようにアルミ製の排気ダクトを使用してみました。
バスルーム、洗面、トイレは暖かさと明るさにこだわり、白と茶を基本色としてつくりました。
街を歩いてみると驚くほど緑が多い池尻大橋は、お隣の渋谷から東急田園都市線で一駅のところという高い利便性を誇り、中目黒や代官山、駒場東大前も近く、スーパーマーケットや飲食店、学校や病院や公園が充実していて買い物や食事、暮らしていくには便利な場所です。
豊富な緑だけでなく学校や病院、公園が池尻大橋に多い理由は、いまから130年ほど前の1891年(明治24年)に遡ります。
当時、陸軍の各部隊並びに練兵場がこの池尻に移駐いちゅうしてきたことで、池尻大橋には軍の施設が建設されて、その時の軍の施設の広大な敷地が後に学校や病院、公園などに変わっていったのです。また、軍の施設があったため軍の中でも偉い将校などは、渋谷付近に家を持って池尻大橋にある軍の施設に通勤するようになったことから、交通の便も当時から整備され続けていました。
そして現代、わたし達は緑多く住み心地のいい環境という当時の恩恵を受けています。
今回リノベーションさせていただいた物件は、そんな池尻大橋にもお隣の三軒茶屋にも行きやすい立地にあるこちらの築30年余り経っているマンションです。
リノベーション前の工事中の状態