2015年05月17日
おくのほそ道の風景地・草加松原のマンション
今回のリノベートするマンションは埼玉県草加市にある築44年3LDKファミリータイプのお部屋です。11階建ての8階部分でリビングが南向きの明るいお部屋ですが、南北に長い造りのため、窓のない居室が一部屋ありました。窓がないため、エアコンが設置されておらず、ほぼ物置状態となっていました。また、リビングダイニングにも仕切りがないため、中央部分に冷蔵庫や食器棚が張り出していて、リビングというより広いダイニングのようで、落ちつかない間取りでした。今回はこの二点を重点にリノベーションしてみました。
まず、LDKは写真の赤枠の通り、キッチンを独立させるためにリビングダイニングとの間に造作壁を設置しました。この壁の中に冷蔵庫やゴミ箱を収納することで、リビングダイニングからの視覚から隠れてキッチンをスッキリさせることができました。また、リビングダイニングも、ダイニングテーブルやソファの配置がしやすくなり、落ち着く空間を確保出来ました。
リノベーション前の廊下、キッチン、洗面スペース、バスルーム
真ん中に“窓が無い”部屋が出来てしまう構造になっていて、“窓が無い”ということは、エアコンを設置することが難しいという弱点があります。部屋に窓が無くそれでいてエアコンも無いとなれば、居住空間としての快適さは低くなってしまいます。
通常、窓のない場所にエアコンを設置しようとすると、エアコンの室外機が設置出来るベランダなどへのエアコンの配管が壁に沿って付けられるのですが、それでは、居室の景観を損ねてしまいます。
そこで、リビングの壁を一部2重にして、そこに出来た空間にエアコンの配管を通して部屋の景観を保ちつつ、居住空間の快適さを実現しました。
2点の重点課題をクリアし、その他にもリビング隣の居室は元々和室であったが、洋室に変更してリビングと洋室の間には3枚扉を取り付け、全て開放して広々リビングとしても利用出来るようにしました。来客の多いときは開放してゆったり寛いではいかがでしょうか?
リノベーション前の居室の状態
東武伊勢崎線獨協大学駅から徒歩5分といった駅近で南東向き、綾瀬川に面した北東向きに121戸の住戸が配置されている大型マンションは、しっかりメンテナンスされていて外観に清潔感があり明るい雰囲気を醸し出しています。
マンション近くの草加市の中心部を南北に流れる綾瀬川右岸沿いの遊歩道にある松並木には、元禄2年(1689年)3月末に『おくのほそ道』の旅に出た松尾芭蕉の『おくのほそ道』の作品中に登場する草加宿が近くにありました。
現在は、草加市の指定・登録文化財になっていて『草加松原公園』として整備されて、近隣住民の方を始め訪れる方々の憩いの場所になっています。
マルエツや東武ストアなどのスーパーマーケットも近くにあるため、生活の利便性も整っています。